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東京地方裁判所 平成8年(ワ)25028号 判決

《住所略》

原告

久慈力

《住所略》

被告

山地進

《住所略》

被告

近藤晃

《住所略》

被告

利光松男

右3名代理人弁護士

手塚一男

矢島匡

主文

一  原告の訴えをいずれも却下する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

第一  請求

被告らは、訴外日本航空株式会社(以下「日本航空」という。)に対し、金22億6173万2000円及びこれに対する訴状送達の日の翌日から支払済まで年5分の割合による金員を支払え。

第二  事案の概要等

本件は、原告が、日本航空において、同社の100パーセント出資による子会社OCEAN CLUB DEVELOPMENT COMPANY、INC.(以下「OCEAN CLUB」という。)と米国開発会社との共同出資により設立された合弁会社 1250 OCEANSIDE PARTNERS(OCEAN CLUBの出資割合75パーセント)を通じ、米国ハワイ州カイルア・コナ市近郊において成功可能性のない大規模なリゾート計画「ビレッジ・アト・ホクカノ」が策定され、遂行されたことにより多大な損害が発生しているとして、日本航空の代表取締役または取締役である被告らに対し、善管注意義務(商法254条3項、民法644条)及び監視義務(商法266条1項5号)違反に基づく損害賠償として金22億6173万2000円及びこれに対する遅延損害金を支払うよう求めた株主代表訴訟の事案である。

第三  当裁判所の判断

一  被告らは、原告の本件訴訟は原告の悪意に出たものであるとして、商法267条5項、6項、106条2項に基づき担保提供命令の申立(平成9年(モ)第3857号)をなし、当裁判所は、平成11年3月30日、原告に対し、担保として、被告らのためにそれぞれ1000万円を供託するよう命じた(以下「本件決定」という。)

二  原告は、平成11年4月2日、本件決定の告知を受け、本件決定は平成11年4月9日の経過により確定した。

三  原告は、右確定した本件決定に定められた日までに、本件決定に基づく右金員の供託をした旨、当裁判所に届け出ていない。

四  したがって、原告は、当裁判所から命じられた期間内に、命じられた担保を提供していないと認めることができるので、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 菅原雄二 裁判官 近藤昌昭 裁判官 佐々木一夫)

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